2008年2月26日火曜日

低気圧の影響 空の便ほぼ正常に JR一部運休、休校も 道内

発達した低気圧の影響で交通機関などに大きな影響が出ていた道内は、二十五日になってようやく天候が回復した。ただ、車両繰りがつかずJRで一部列車が運休となったほか、道路の通行止めなどで小中学校五校が臨時休校となった。
 札幌管区気象台によると、強い寒気と放射冷却の影響で、二十五日の道内は内陸部を中心に冷え込んだ。最低気温は上川管内下川町で氷点下三三・三度、宗谷管内枝幸町歌登で同三三・二度、札幌で同一三・二度など。
 二十三日から二日連続で百便以上が欠航した新千歳空港は、機材繰りがつかない日本航空の羽田発の一便が欠航したほかは、初便からほぼ通常通りの運航を再開。出発ロビーは、空港内に宿泊して疲れ切った表情の乗客で朝から混雑し、この日に行われる国公立大入試の受験生が急いで搭乗口へ向かう姿もあった。
 長野県内の大学を受験する札幌開成高出身の予備校生佐藤千寛さん(19)は、二十四日の松本行きが欠航となり、二十五日午前は運航便がないため羽田経由で向かうことに。空港に宿泊し空席待ちで搭乗券を手にした。「試験は午後一時から。ぎりぎり間に合うかもしれない」と話した。
 JR北海道によると、二十四日までのダイヤの乱れの影響で、帯広発札幌行き特急とかち2号が運休。このほか道央圏を中心に普通列車など計二十三本が運休となった。
 フェリーはハートランドフェリーの奥尻発江差行きの一便が欠航した。
 道路は午後一時現在、道道の洞爺湖登別線など十路線十区間で通行止めとなっている。風雪の影響で、北見市常呂中と千歳市東小、東千歳中、岩見沢市北村小、北村中の五校が臨時休校になった。

2008年2月22日金曜日

「誤診」女児死亡、医師2人不起訴 札幌地検

札幌地検は二十日、腸捻転(ねんてん)の女児=当時(4つ)=の病名を誤って診断し死亡させたとして、業務上過失致死の疑いで書類送検された札幌市厚別区の小児科医院に勤務する五十一歳と五十八歳の男性医師二人を、嫌疑不十分で不起訴処分とした。
 同地検は不起訴処分とした理由について、女児の症状がウイルス性胃腸炎に類似し、腸捻転の際に腸内にたまるガスを女児のレントゲン写真から認識するのも困難だったとして、「医師二人に刑事責任を問うまでの過失があったとは言えない」としている。
 女児は二〇○六年一月に腹痛を訴え、同医院の医師から風邪と診断。症状が悪化した翌日も同医院の別の医師に「命に別条ない」と言われたが、帰宅後に死亡した。司法解剖の結果、死因は腸捻転による腹膜炎と分かり、道警が○七年三月に医師二人を書類送検した。
 不起訴処分を受け、同医院は「当院の診療行為の正当性が認められた」とコメントした。女児の両親は同医院と医師二人に対し、約八千二百万円の損害賠償を求める訴訟を起こし、係争が続いている。

2008年2月16日土曜日

人手不足で高卒初採用 札幌のシステム・ケイ IT業界で異例

システム開発のシステム・ケイ(札幌)は今春、高卒新卒者を初めて採用する。情報通信(IT)産業の人手不足を受けて、業界では異例の高卒新卒者の採用に踏み切る。岩見沢事務所で二年間の教育プログラムを組み、技術者を卵から育て上げる。
 岩見沢緑陵高と由仁商業高を卒業する男女二人を採用する。通常勤務のかたわら、同社社員が体系だってソフトウエア開発とネットワーク技術を指導する。さらに今後数年間、岩見沢や近郊の高卒者を四、五人採用し、現在二人の岩見沢事業所の人員を二十人規模にする。
 同社は昨年秋、岩見沢市が建設した高速通信網完備のITビル「新産業支援センター」に進出。同ビル内のデータセンターを活用し、顧客企業のシステムやネットワークの保守、管理業務を行っている。札幌市内にもデータセンターを構えているが、岩見沢に機能を徐々に移転する予定で、岩見沢勤務の技術者の養成が急務となっている。
 IT業界は全国的に人手不足に陥っており、北海道IT推進協会(札幌)の調査でも、システムエンジニア不足を指摘する事業者が67%に達している。同協会の下舘繁良専務理事は「業界の人手不足は深刻で地元の高卒者を働かせながら育てる試みは意義深い」と話している。

2008年2月11日月曜日

沖縄キャンプ 奮闘・中田らに熱視線 観客6日間で延べ7000人

プロ野球の北海道日本ハムが、パ・リーグ三連覇を懸けたシーズンに向けて走りだした。沖縄県名護市で行っている春季キャンプでは、梨田昌孝監督のもと、ダルビッシュ有投手、稲葉篤紀、森本稀哲両外野手、スーパールーキー中田翔内野手らが連日、練習に汗を流している。(運動部 実松充洋 写真部 国政崇、中川明紀)  会場の名護市営球場ではウオーミングアップの後、野手陣と投手陣に分かれた練習が始まる。「無理に自分の色に染める気はない」という姿勢の梨田監督。基本的にコーチに指導を任せるが、ポイントで時折、選手に声をかけることを忘れない。  野手は守備、ティー打撃、フリー打撃、走塁などの練習を反復し、投手陣は肩慣らしのキャッチボールの後、それぞれ定められた予定に沿ってブルペンで投球練習する。全体練習が終わると、居残りの個人練習へと移るのが日課だ。  一日のキャンプインから、休日を挟んで正味六日間の観客は延べ約七千人。沖縄のファンに加え、北海道から足を運ぶ人も少なくない。シーズン中は、札幌ドームのスタンドから見守るしかない選手たちが、目の前を歩く。  「頑張ってください。これプレゼントです」「どうもありがとう」。こうした簡単な言葉のキャッチボールが、ここでは可能だ。サインや記念撮影に応じる選手も多く、会社を休んで札幌市豊平区から妻(50)と二泊三日の日程で来た男性(52)は、「こんなに選手に近づけるとは驚いた」。  報道関係者の人数も百人を下ることはない。二年連続のリーグ覇者であることに加え、話題の大物新人中田内野手が入団したためで、初日の二百二人を最高に、初めて紅白戦を行った七日は百七十四人。野球解説者、リポーター役のタレントたちも訪れ球場内外が華やかな雰囲気に包まれた。  九日は北京五輪日本代表チームの星野仙一監督が視察した。この日の名護市は午前十時の気温が一五度。氷点下○・六度で「雪まつり」開催中の札幌からみるとまさに、南国。ただ、午前は時折、強い雨に見舞われ、打撃練習などは室内で行った。  星野監督は山本浩二コーチらと選手たちの動きをチェックし、「日本のエース」として期待されるダルビッシュ投手や、中田内野手に熱い視線を送った。中田内野手について同監督は「十八や十九歳で、あれほど速いスイングスピードの選手を見たことがない」と、驚いていた。  今後、同県内でキャンプする日韓の球団との練習試合などが組まれており、選手たちは三月一日に同球場で横浜とオープン戦を行った後、一カ月過ごした名護を離れる。

2008年2月6日水曜日

道教委、高等養護を増設 特別支援教育10カ年計画案 盲学校は再編

道教委は、二○○八年度から十カ年の「特別支援教育に関する基本方針」案をまとめ、五日の道議会文教委員会に示した。一二年度までの前半五カ年の重点項目として、知的障害者を対象にした高等養護学校の増設と、視覚障害者の減少に伴う盲学校の再編について触れた。
 同方針案は、学習障害(LD)や注意欠陥多動性障害(ADHD)なども含め、一人一人の児童・生徒のニーズに合った教育を目指す「特別支援教育」が○七年度にスタートしたことを受けた初の長期計画。道議会の議論を経て、三月下旬の道教育委員会で決定する。
 知的障害者を対象とする道内の学校や学級に通う子供はここ十年で千人以上増え、五千九百人に達している。今後も増加が見込まれることから、その受け皿として高等養護は「受け入れ態勢の整備に努める」とした。
 一方、医療の進歩などで在籍数が漸減傾向にある盲学校については、一定の規模以下では学校運営が難しくなるとして、「そのあり方について検討する」とした。
 道教委は「具体案は今後の配置計画の中で検討する」としながらも、道議会で議論されている、札幌盲学校(江別市)と道高等盲学校(札幌市中央区)の統合については「一つの選択肢」と説明した。
 ろう学校については、道外より手話教育が遅れているとの指摘を受け、「教員の手話活用能力の向上に努め、手話を活用した効果的な指導法の構築を図る」とした。

2008年2月2日土曜日

新琴似北中で「はしか」集団感染 各学年合わせて26人に 札幌

札幌市北区の市立新琴似北中(安藤正敏校長、四百二十五人)で麻疹(ましん)(はしか)とみられる症状を訴える生徒が三十一日現在、二十六人に達していることが明らかになった。札幌市内では昨年から麻疹が流行しているが、これだけ大規模な集団感染は初めて。
 同校によると、二十六人は一-三年の各学年に分散。冬休みが終了して授業が始まった十五日ごろから発熱などで体調を崩す生徒が目立ち始めたという。その後、生徒たちの症状はいったん回復したが、二十八日から発疹(ほっしん)や発熱を訴えて欠席する生徒が急増した。
 札幌市保健所によると今年に入って三十日までに市内の病院から報告があった麻疹感染者は七十人で、うち十五歳未満は三十八人。札幌大や札幌学院大など、札幌市やその周辺で感染が疑われる学生が出ており、「月曜日(二十八日)から続々と報告が増えている」という。