2007年6月1日金曜日

市民会館、市民が運営 休止一転、来月組織を設立 命名権販売も計画

 【夕張】夕張市の財政再建団体移行で四月から全館休館中の夕張市民会館の復活を目指し、市民団体などが六月初旬、「市民会館を再生する会」を設立する。同市も協力姿勢を示していることから、会として市民会館の命名権を売り出すなど収入を確保、自ら運営に当たる考えだ。
 同会は、夕張市文化協会、夕張市芸能協会などの利用者団体や市内のNPO法人など十五団体ほどで組織。六月六日に初会議を開く。NPO法人ゆうばり観光協会を通じて、命名権購入や会議室の事務所利用を希望する企業などの募集をただちに始める予定だ。
 市民会館の運営経費は、年間約二千万円。命名権の収入を五百万円とし、残りは主要設備の大ホール(五百八十席)使用料を一日五万六千円にするなど、すべての使用料を従来の倍額に設定すれば収支は合うという。
 市側も「市に新たな出費がない以上、市民の動きを支援したい」と事実上、同意している。ただ財政再建計画の中で、市民会館を休止施設と位置付けているため再開には国との協議が必要となる。
 大ホールは昨年九月から休止され、市民有志が自主運営を目指したものの、経費が多額で断念した経緯がある。今回は、市の観光施設を受託運営する加森観光(札幌)が事情を聴き、命名権販売などの運営法を助言、新たな会の設置につながった。
 市民会館は一九六三年完成。「ゆうばり国際映画祭」の主会場だった大ホール、かつては市営映画館だった五十席のシネサロンや大小の会議室がある。同会準備会代表の小沢美穂子さんは「国との協議など関門はあるが、文化の象徴である市民会館を何とか再開したい」と話している。

(北海道新聞より引用)

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