2007年9月9日日曜日

チキンレッグ高騰「足が出る…」 スープカレー店ピリピリ

スープカレーの代表的な具材の一つ、骨つきのチキンレッグ(鶏もも肉)の価格が品薄で高騰し、札幌の店を困らせている。卸値は昨年の二倍近くになり、メニューから外す店も出てきた。品薄は全国的な話だが、クリスマスシーズンに取引が集中する道外は、まだ影響が小さく、スープカレーの本場ゆえの悩みといえそうだ。  「入荷がなくなりしだい、チキンメニューは、ほぐしになります」。札幌市中央区の人気店、バズカリー札幌本店「花車」にチキンレッグの品薄を知らせる紙が張られたのは七月下旬だ。  一番人気だけに値上げはできず、その分、チキンのサイズは小さめに。「ほぐし」になると、骨付きでないもも肉も合わせるため分量は増えるが、この道九年の松島真紀子店長は「やはりチキンは骨付きレッグ」と気が気ではない。  札幌で約三十店にチキンレッグを卸す大手「北一ミート」(札幌)によると、国内流通のほとんどを占める米国産が、昨年末から鳥インフルエンザの影響で輸入停止になっている。頼みの他国産も中国やロシアなどに買われている状態だ。  現在は全国の業者が在庫をかき集めており、じわりと上がった卸値の相場は札幌でキロ三百八十円ほどと一年前の約一・八倍。米国産の輸入停止は年内に解除されるとの見通しもあるが、同社の田村徹哉営業部長は「底値が上がってしまうと、以前のレベルまで簡単には下がらない」とみる。  チキンレッグは札幌で三十年以上前に登場したスープカレーの代名詞ともいえる存在。だしを取る店も多い。鶏肉全体に占める割合は道外では微々たるものだが、「スープカレーが定着し、市場が拡大した札幌は三割ほど」(食肉関係者)という。値上げによる客離れを心配してメニューから外す店も出始めた。  札幌でスープカレー専門誌を発行する玉木雅人さんは「品薄をきっかけに新メニューを開発するなど、店の意欲をかきたて、料理の可能性を広げている面もある」と、札幌名物の底力に期待する。 (北海道新聞 引用)

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